研究者情报
研究者名
髙木 淳一
概要
国立極地研究所の渡邊日向特任研究員、高橋晃周教授、京都大学フィールド科学教育研究センターの高木淳一特任助教の研究チームは、バイオロギングを用いて南極のアデリーペンギン(以下、ペンギン)が海氷下で遊泳する軌跡とナンキョクオキアミ(以下、オキアミ)を捕食する行動を詳しく解析しました。その結果、潜水を繰り返すうち、ペンギンはオキアミを捕えるために海氷の割れ目から次第により深く、より遠くまで潜る必要があることが明らかになりました。一方で、ペンギンが捕食したオキアミの群れの密度は大きく変わらず、オキアミがペンギンの捕食を逃れるためにより深く遠い場所へ移動した可能性が示唆されました。さらに、このようなオキアミの逃避行動が積み重なることで、多くのペンギンが繰り返し潜る繁殖地周辺では、オキアミはより深く遠い場所へと分布を変え、繁殖地周辺には存在していても、ペンギンにとって利用しにくくなる現象(functional prey depletion)が生じた可能性が示唆されました。本研究は、多くの種で知られていた海鳥の繁殖地周辺で餌が捕らえにくくなる現象について、主に「餌が食べ尽くされること」で形成されるという従来の説明と異なり、餌生物の捕食回避行動が重要な役割を果たすという新たな生態的プロセスがあることを示した成果です。
本研究成果は、2026年7月15日に「Proceedings of the Royal Society B」へ掲載されました。
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【书誌情报】
Hina T. Watanabe, Junichi Takagi, Akinori Takahashi (2026). Emergence of functional prey depletion halo through penguin–krill behavioural dynamics. Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences, 293, 2075, 20260490.